京都市美術館は日本で2番目に古い、公立美術館です。
1933年に岡崎公園内に開館しました。
2020年にリニューアルオープンしましたが、名称は「京都市京セラ美術館」となりました。

実は美術館を再生させるために、命名権を京セラに50年間、50億円という価格で売却したのです。
この件に関してはかなり物議を醸したようですが、致し方ないという意見もあり、税金だけでは賄いきれない所を京セラが援助したという形です。

1933年の開館ですから、歴史ある堂々とした建築です。
「帝冠様式」と言われる建築様式で、洋風建築に和風の屋根をかぶせるという形になっています。
2017年から大改修が始まりましたが、元々の美術館の美しさを残しつつリノベーションされています。

特にメインエントランスは従来の正面玄関を残したまま、一段下がったところに新たに機能的な玄関を造っています。
機能性を持たせながらも、以前からある美術館の美しさを損なわない、かなり斬新な設計です。

中央ホールの左右から南北の陳列室「南回廊」と「北回廊」へ通じるようになっています。
この「南回廊」と「北回廊」では様々な企画展が開かれています。

京都市京セラ美術館は、近代以降の日本画、洋画、工芸等約3,600点程の名品を収蔵しています。
その中でも京都画壇における明治から昭和までの作品が中心になっています。
ですので京都の美術を堪能出来る美術館となっています。

企画展のメインとなる「北回廊」では、2020年6月から12月まで、「京都の美術250年の夢」が開催されています。
リニューアルオープンを記念するものとして開かれており、地元京都からはもちろんのこと、全国からも集めた京都の美術の展覧会です。
その展示作品は400点以上もあり、美術館の京都の美術に対する意気込みが感じられます。

400点がいちどきに展示されるわけではなく、特別企画展が順を追って開かれます。
9月6日までは「最初の一歩:コレクションの原点」が開催されています。
これは1935年に初めて開催された「本館所蔵品陳列」に展示されたコレクションを集めたものです。

後の企画展では京都で活躍した、有名な日本画家の名作等も見ることが出来ます。
伊藤若冲、円山応挙、竹内栖鳳、与謝蕪村、呉春、池大雅等、そうそうたる画家の作品が集まっています。

好きな方は、本館の壁面を調べてみてください。多くの化石が見つかると思います。
4番目の画像をチェックしてみてください。

〒606-8344
京都市左京区岡崎円勝寺町124
アクセス
市バス「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ
地下鉄東西線「東山」駅下車、徒歩約8分
営業時間 リニューアル後 10:00~18:00(入場は閉館の30分前まで)
定休日 毎週月曜(祝日の場合は開館)
年末年始

画像提供:京都フリー写真素材