北野天満宮は「天神さん」の愛称で親しまれています。
学問の神様として知られる菅原道真が祭られているため、受験などの合格祈願で多くの人がおとずれます。
また道真は、弘法大師や小野道風などとともに三聖とよばれた書の達人でもありました。
そのため書道の上達を願う人たちでもにぎわっています。

室町時代には、ここで猿楽よばれる芸能がおこなわれたことかから、道真は芸能の神としても知られています。
現在の社殿は、豊臣秀吉の息子の秀頼が1607(慶長12)年につくったもので国宝に指定されています。
宝物殿では、国宝の『北野天神縁起絵巻』や、重要文化財の『日本書紀』などをみることができます。

北野天満宮 梅花の名所

梅は祭神菅原道真がもっとも愛した花でした。
わずか五歳の時に庭に咲く紅梅を見て
「美しや紅の色なる梅の花あこが顔にもつけたくぞある」
と詠んだと伝えられているくらいです。

道真は平安中期に活躍した一流の学者・歌人で、政治家としても右大臣にまで出世した人物です。
だが政敵の左大臣藤原時平に敗れ、辺境に左遷され59歳で憤死してしまうのでした。
大宰府へ旅立つとき、生まれ育った紅梅殿に咲く花を見て詠った
「東風吹かば匂ひおこせよ梅の花あるじなしとて春を忘るな」
は、都への別離の歌です。

ところが道真が京を離れた後、都では奇妙な出来事が起こり始めたのです。
御所の清涼殿に落雷があったり、藤原時平らが厄災に見舞われるという出来事です。
こんな出来事を不安に感じた、都の人々は無実の罪に落とされた道真の怒りかもしれないと噂をしました。
そこで国家安泰を願い、道真の御霊を北野の地に祀ったのした。
その後、道真は学問や芸能の神として篤く信仰されるようになったのです。

まとめ

中世以降、北野天満宮は大勢の人が集まる広場となりました。出雲の阿国が歌舞伎踊りを見せたのもの、秀吉が大茶湯を催したのもこの北の地である。

受験シーズン真っ盛りの2月は梅の見頃。二千本という梅花の香りに包まれる境内は、合格祈願の受験生の姿で溢れかえる。豊臣秀頼寄進の三光門周りは白梅紅梅が咲き連なり、優美な社殿に華やかさを添えている。参道の西にある梅苑では、珍しい種類の梅花が多く見られる。また2月25日には梅花祭が催され、天神さんの市もひときわ賑わいを見せる。

〒602-8386 京都市上京区馬喰町 北野天満宮社務所
TEL:075-461-0005 FAX:075-461-6556

北野天満宮 公式サイト

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