鴨川上流に位置する上賀茂は、平安京以前から賀茂族が定住した古くから開けた地。
上賀茂神社には鴨川を流れ来た丹塗りの矢によって祭神が生まれたという神話が残されています。
神山(こうやま)の麓に広がる清浄な境域には国定指定の本殿をはじめ、典雅な社殿がのびやかな風景にとけ込むように建っています。
上賀茂神社は、正式には賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)といいます。
世界遺産に指定され、下鴨神社とともに賀茂社と総称し、当社を上社、下鴨神社を下社と呼びます。祭神の賀茂別雷大神の母玉依媛命(たまよりのひめのみこと)、祖父賀茂建角身命(がもたけつぬみのみこと)は一族の始祖として下鴨神社に祀られました。
上賀茂神社は、京都でももっとも古い神社のひとつです。
七世紀後半の天武天皇の時代に社殿が造営されました。
その社殿は、御物忌川(おものいがわ)と御手洗川(みたらしがわ)が流れる複雑な地形をたくみいかした場所にあります。
左右に回廊をめぐらした朱塗りの楼門が建っていて、その門の中にはいると、ともに国宝の本殿と権殿があります。
また社殿にほとんどが重要文化財の指定を受けています。5月15日には、王朝絵巻さながらの「葵祭」の祭礼が行われています。
上賀茂神社は、雷のように強い力により厄を払い、災難をのぞくとされ、厄除け、かみなり除け、として電気産業の神として広く信仰を集めています。
また桓武天皇の時代には、天皇の住居を守る神、鬼門の守り神として知られ、現代では建築関係者の参拝も多くあるそうです。
天武天皇の時代(678)に、現在の社殿の基礎が築かれてから明治以降まで、天皇や大名などの参拝も多く、特に徳川家は、家紋が似ているということで特別の信仰がありました。
徳川家の家紋が三つ葉葵で、下賀茂神社の神紋の二葉葵が似ているという理由からです。
山城国 一之宮 世界文化遺産
賀茂別雷神社(上賀茂神社)
TEL:075-702-6618 電話受付8:30~17:00
〒603-8047 京都市北区上賀茂本山339番地
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